なぜパワー99なのか
マジック:ザ・ギャザリングには様々なフォーマットがある。
スタンダード、パイオニア、モダンあたりはプレイ人口の多い人気フォーマットだ。場所や時間帯にもよるだろうが、カードショップの公認大会に行けば対戦相手に困ることはない。スタンダードは人気が低迷していると聞くが、MTGアリーナなら24時間いつでも対戦できる。統率者やパウパーもプレイ人口が増えているし、リミテッドで遊ぶのも面白い。
マイナーフォーマットの極致のようなパワー99を選ぶ必要が果たしてあるのか。トリム平均99円以下かいちいち調べて?コモン・アンコモンで再録されて使用不可になってないかチェックして?他じゃ使い道のないような雑魚カードをわざわざ買い足して?
確かにカードプールの把握は初めのうちは少々手間だ(そのうち覚えるけど)。だが断言しよう。パワー99には他のフォーマットには無い独自の魅力がある。それは「自分のお気に入りのレアカードを活躍させられる」ことだ。
つよいカード よわいカード そんなのひとのかって
例えばモダンホライゾン3を開封したとしよう。出てきたレアは《熊の中の王、クードー》だ。
すべてのクリーチャーを2/2の熊にする伝説の熊。色々と面白いシナジーが生まれそうな能力だ。しかも初代モダンホライゾンで登場した《熊の女王、アイユーラ》とは夫婦の関係であるらしい。
2枚を並べてみると能力がかみ合っているのが分かる。王の力で出てくるクリーチャーが軒並み「熊」になり、女王の力で盤面を制圧する。フレーバーに富んだデッキが組めそうだ。
だが大抵の人はここで冷静になる。そのデッキ、どこのフォーマットで組むの?と。両方ともモダホラ出身のくせにモダンで通用するとは思えない。EDHも良いけど、あれはパーティーゲーム要素強いし、ガチンコタイマンデュエルができる居場所は結局見つからない。(EDHをディスる意図はありません)やっぱカスレアはカスレア。あーあ、タミヨウちゃんとか引きたかったなー。
・・・せっかく引いたレアカードの感想がこれで終わりなんてあんまりではないか。使ってみれば面白そうなのに使わせてくれる環境がないなんて。
パワー99という名のフロンティアへ
そうだ!パワー99があるじゃないか!可能性、ポテンシャルを発揮する場が終ぞ見つけられなかったカード。あるいは、かつて一時代を築いたが、スタン落ちやインフレの波に飲まれ、今じゃ見なくなったカード・・・。そいつらをかき集めて構築の舞台で輝かせる。「99円以下」のレア・神話レアにはそんな未開拓の魅力がたくさん詰まっているのだ。
というわけでいざ構築。実はすでに相性の良いカードを見つけてある。それが《発明の天使》だ!
クードーがいる状態で霊気装置を出せば、本体の全体強化も合わさり3/3が2体並ぶ。アイユーラもいれば更なる強化も格闘も思いのままだ。正直、こいつをあてにして今回の記事の題材をクードーにした節がある。あまりにも強力なシナジーだ。しかし、初めて使うカードだから一応値段を確認しておこう。まあ、他フォーマットはおろか、パワー99でも見かけないカードだから心配はないだろう・・・
(2024年9月1日現在)
は?
なんだこの天使。お高くとまりやがって。どうりでパワー99で見ないわけだ。「神話レアのわたくしはそこらの安物とは格が違うのですわ」ってか?そういう変なプライド捨てきれないから誰もおまえのこと使わないんだぞ。
気を取り直して他に相性の良いカードを探すことにする。できればクードーとアイユーラの両方を同時に場に出せるのが望ましい。何かないものかと家のストレージを漁っていると、奇跡のような一枚を見つけてしまった。
MTGの熊といえば2/2である。《野生のつがい》を使えば、王が女王を、女王が王をサーチできる。何よりカード名が素晴らしい。熊の「つがい」でデッキを組むという今回のテーマにぴったりだ。となると次は素早く6マナに到達させるためのマナ加速が欲しくなるが、ここでも奇跡が起きた。
パワー99の代表的なマナクリーチャー2種は、どちらもパワーとタフネスの合計が4!つまり《野生のつがい》で熊をサーチできる!これでデッキの方針が決まった。序盤はマナ加速に使っていたクリーチャーを、終盤はサーチの元手としても使える無駄がないランプデッキだ。
さて、せっかく6マナも払って《野生のつがい》を置くのなら他にもサーチ先が欲しい。パワー+タフネス=4で、フィニッシャーになりえるような・・・・・・
熊の好物といえばハチミツ。ハチといえば《女王スズメバチ》!クードーがいればトークンを2/2の「クマ」ンバチにできる。アイユーラもいれば最大5回の毒針攻撃(接死格闘)!
その他採用カード
後に紹介する奴ほど採用すべきか怪しい。むしろ何入れればいいか教えてほしい。
《ドロモカの命令》
パワー99のセレズニアは残りの56枚を考えるところからデッキ構築が始まる。
《永岩城の修繕》
確実に6マナへ到達させたいから《平地》サーチが嬉しい。二章のリアニメイトも2マナが多いこのデッキでは役に立つ。裏面もトークンが出せるようになるからクードーと相性が良い。3枚。
《真面目な身代わり》
便利。これが参入したおかげで6マナのカードが軒並み再評価されているらしい。でも《野生のつがい》は一向に話題に上がらない。なんで?2枚以上引くと便利なだけで勝てないので3枚。
《絞首された処刑人》
2ターン目クードー、3ターン目にこれで2/2飛行が2体。これだけで勝てそう。3枚。
《予期せぬ不在》
何入れたらいいか分からんくて、無難に除去。2枚。中途半端だね。
《八ツ尾半》
何入れたらいいか分からん枠その2。個人的に好きなカード。狐のようで2/2だから熊。《野生のつがい》から持ってきて相手の除去とかブロッカーとか封殺できたらかっこよくない?ってことで1枚。
あとは土地をいい感じに配分させて完成。
使用感・まとめ
ここまで書いてきたけど、正直パワー99でこのカラーリングで組むなら、「ネコ」か「大変異」にした方が強いと思う。熊カップルが揃ってから勝つまでに時間がかかるし、全体除去に無力。でも、全くもってダメかというとそこまででもない。もしモダンで熊カップル揃えようなんて悠長なデッキ組んでもあっという間に蹴散らされて終わりだろう。その点、パワー99でなら、少なくとも戦えるデッキにはなっていると思う。パワー99は、デッキコンセプトさえしっかりしていれば割と何組んでも勝負になるイメージがある。カジュアルなフォーマットだし、単体除去や打ち消しが重めで、自分がやりたいことをやらせてもらいやすい環境だからなのかな?使ってみたい(けど弱い)レアカードがあったら、パワー99のことを思い出してもらえると嬉しい。
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